近年、環境に配慮したエコ商品やあらゆるエコ活動が盛んになっています。その一つに、世界規模で行われている活動があります。それは「アグロフォレストリー」です。アグロフォレストリーが意味するものはフォレスト、つまり森林です。森林を保護することが大前提である概念から生まれたのが、アグロフォレストリーなのです。アグロフォレストリーが注目されている背景には、環境保護、主だったものでは森林保護が、現在重要事項に...
アグロフォレストリー記事一覧
森林伐採を少なくすべく生まれた新しい概念・活動「アグロフォレストリー」とは、一体何なのでしょうか?アグロフォレストリーとは、森林伐採などによる森林破壊をせず、森林をつくりながら農作物や家畜を育て、生産する方法です。日本語で訳すと「農林複合経営」といいます。つまり、農業と林業が融合した、画期的な方法のことなのです。地球上の森林を維持しながら、樹木間で農作物や家畜を育てることで、「生物多様性」を保つこ...
森林保護が唱えられている今、世界規模でアグロフォレストリーは世界規模の活動になっています。森林破壊が最も多く行なわれたのは、熱帯地域なのです。それは一体、なぜでしょうか?20世紀後半、熱帯地域の途上国では、人口が爆発的に増加しました。しかし、貧困であるがため、人々の食糧を確保するための輸入ができず、自国でどうにかしようと動き出しました。これが、自分たちの食糧確保をするために始めた開墾作業=森林伐採...
森林を守りながら、農業を行なうアグロフォレストリーですが、森林破壊は止まっていません。人間の人口が増えることで加速していった森林伐採ですが、アフリカや南米をはじめ、東南アジアの熱帯林も予想以上の速さで消失していっています。2022年には、スマトラとボルネオの熱帯雨林もその98%は消えてしまうという警告も出ています。地球上にある森林は、時には1分間で東京ドーム数個分という大きさの面積で減少していると...
日本ではあまりまだ深く馴染みがありませんが、熱帯地域を主に、アグロフォレストリーによる農作物の栽培は広がっています。アグロフォレストリーによる栽培で有名なものは、コーヒーです。他にもバナナやアボガド、パパイヤなども栽培されています。アグロフォレストリーによってコーヒー栽培をしていることで有名なところがあります。それはエクアドル共和国にインタグ地区のインタグコーヒーです。エクアドルのインタグコーヒー...
森林保護活動として始まったエクアドルのAACRIのインタグコーヒーの栽培ですが、コーヒーだけでなく、熱帯地域の途上国の問題も解決しようと、さらなる活動をしています。それは、熱帯地域の森林破壊の要因の一つであるエネルギー問題への取り組みです。熱帯地域の開発途上国では、エネルギーは主に木質燃料によるものだと先にお話ししました。AACRIは、このエネルギー問題についても、コーヒー栽培を通じて取り組んでい...
森林保護が大前提のアグロフォレストリーですが、地域の人々の生活を向上させることが第一の目的として行なわれることもあります。たとえば、アマゾン西部であるブラジルのマニコレ市で行なわれているアグロフォレストリーは、人々の食生活と収入が改善されるために始まりました。マニコレ市の人々の主な食料はキャサッバ芋と魚で、ビタミン不足の食生活を送っていることにより、高血圧や栄養不良が問題として挙げられています。ま...
アグロフォレストリーの普及は、熱帯地域で今、強化されています。森林保護による環境への取り組みは、国際的に見てもその貢献度が非常に大きいです。そのため、アグロフォレストリーを行なっている地域に対して、積極的にフェアトレードをしている企業もあります。フェアトレードとは一体何なのでしょうか?フェアトレードとは、日本語で「公正取引」と訳されます。その名の通り、買い手売り手の間に不平等が起こらないような商取...
アグロフォレストリーと関わりの深いフェアトレードで有名なのは、スターバックスです。世界に名を馳せるスターバックスが、フェアトレードで得たコーヒー豆を使っていることは有名です。しかし、スターバックスがフェアトレードのコーヒー豆を扱うようになったのは、自らすすんで、ということではありませんでした。発展途上国の貧困が国際的な問題であり、大手であるスターバックスはフェアトレードのコーヒーを使うべきだ、とい...
ボディショップが行なっているフェアトレードを、ボディショップは「お客様にもできる身近な国際協力」と唱えています。1988年にボディショップの創業者であるアニータ・ロディックが、アマゾン地域の森林破壊によって生活の場を負われた先住民カヤボ族に出会い、彼らの状況を見て「なんとかしよう」と思って、彼らのコミュニティを同等のビジネスパートナーとして取引を始めたことがきっかけといいます。つまり、フェアトレー...
若い女性の美を保つ必須成分であるシアバターも、ボディショップで紹介したようにフェアトレードされ、アグロフォレストリーによる栽培がなされています。ボディショップのシアバターはガーナのものですが、アグロフォレストリーで栽培されているのは、ここだけにとどまりません。西アフリカ・サハラ砂漠の南にあるブルキファソでもアグロフォレストリーによる栽培が行なわれています。世界で最も貧しい国とされているブルキナファ...
アグロフォレストリーによる農作物で有名なものには、他にもチョコレートがあります。チョコレートの原料であるカカオ豆をアグロフォレストリーによって作り、そのまま仕入れて商品にしている企業もあります。日本だと、大手菓子メーカーの明治製菓が、これを積極的に行なっています。明治は2011年3月より、ブラジルのトメアス産カカオ豆100%でつくった「アグロフォレストリーチョコレート」を販売しています。このチョコ...
ブラジルのトメアスは、カカオ豆のアグロフォレストリーでは有名なところです。そしてまた、トメアスのアグロフォレストリーは日本人移民が始めたということから、日本にも関わりがあるところなのです。明治製菓がカカオ豆を仕入れているトメアス総合農業共同組合(CAMTA)は、トメアスにいた日本人移民が設立しました。日本人移民がトメアスに入ったのは1929年で、入植したばかりの時は、過酷な労働・厳しい環境に生活苦...
ビジネスでアグロフォレストリーを支援する企業があることはご紹介しました。他にもビジネスだけではなく、ボランティア活動の一貫にアグロフォレストリーを支援する団体が増えてきています。特定非営利活動法人HANDSは、ブラジルのマニコレ市でアグロフォレストリーによる同市の経済問題・健康問題の改善を目指す活動をしています。同団体のプロジェクトマネージャーが、アマゾン東部のアマパ州で行なわれた氾濫原持続開発プ...
森林破壊から守るべく、世界規模のムーブメントになっているアグロフォレストリーですが、なぜこれほどまでにも世界各国から注目され、普及されているのでしょうか?もちろん、自然環境を守るためですが、なぜ自然環境を守らねばならないのでしょうか?その大きな理由は、地球温暖化です。アグロフォレストリーは、地球温暖化対策の一つとしても考えられているのです。では、地球温暖化とはそもそもどういうことなのでしょうか?簡...
環境に優しく、森林を守り、また育てながら、地球温暖化にも良い影響を及ぼすことができるアグロフォレストリー。まさに、地球を脅かすことが一つもない、これからの主流になる農法だと思われますが、やはり多少なりともデメリットというものはあります。では、どのようなデメリットがあるのでしょうか?まず、多様な食物を育てるという特徴からくるものです。それは、下準備に時間がかかることです。いざ様々な作物を育てようと実...
国際的活動になっているアグロフォレストリーですが、より早く、より世界各地で実施されたいと思われながらも、時間がかかることや、すべての場所で必ずできるというものではないということといったデメリットがあります。この他にも、大々伝わる伝統的農法を行なわれていた畑には、アグロフォレストリーを実施できないというデメリットもあります。その伝統的農法とは、「焼畑」です。従来の農法には、焼畑とプランテーション農法...
単なる農法を超え、もはやアグロフォレストリーは世界規模のムーブメントになっています。それにより、世界各国ではアグロフォレストリーのシンポジウムが多く開催されています。2009年12月に「アグロフォレストリーに関するシンポジウム:地域及び地球規模の持続可能な発展に向けた意義と可能性」が、コクラン大学ウ・タント国際会議場で開催されました。このシンポジウムは、日本人のアマゾン移住80周年の記念事業の一つ...
世界各国で普及が強化されているアグロフォレストリー。熱帯地域の国とともに日本企業も算入しているアグロフォレストリーが最新の農法だとすれば、今まで行なわれていた農法とはどのようなものだったのでしょうか?今までの農法には、先ほど述べた焼畑農法とプランテーション農法というものがあります。ここでは、プランテーション農法とはどのようなものかを見ていきましょう。プランテーション農法とは、大規模な工場と同じよう...
アグロフォレストリーは、熱帯地域を中心として普及が押し進められていますが、今までのプランテーション農法で世界経済につながっていたこともまた事実です。ブラジルは、植民地時代の初期から経済の中核として農業が盛んでした。ブラジルの農業はプランテーション農法で、単一作物を収入源とし、広大な土地と多くの労働力で支えられてきました。16世紀から始まったサトウキビ栽培にはじまり、綿花やココア・天然ゴム・コーヒー...
プランテーション農法による事例を引き続き見てみましょう。マレーシアのサバ州では、アブラヤシの栽培が有名で、こちらもプランテーション農法によって行なわれています。2005年1月にマレーシアの首都・クアラルンプールで開催された「持続可能なアブラヤシ」という公開フォーラムでは、主に今後もいかにアブラヤシ産業を持続できるか?ということがメインテーマであり、環境に関して改善を考えることは少なかったようです。...
アグロフォレストリーと関わりの新しい言葉があります。それは「アグロエコロジー」です。アグロエコロジーとは、アグロフォレストリーに比べると、まだあまり浸透していません。このアグロエコロジーとは、どのようなものなのでしょうか?アグロフォレストリーはここまで述べてきたように、森林保護を前提にした、農業と林業を複合的に経営する農法のことをいいました。つまり、農業においての新しい活動を指しています。しかし、...