アグロフォレストリーとは?
森林伐採を少なくすべく生まれた新しい概念・活動「アグロフォレストリー」とは、一体何なのでしょうか?
アグロフォレストリーとは、森林伐採などによる森林破壊をせず、森林をつくりながら農作物や家畜を育て、生産する方法です。
日本語で訳すと「農林複合経営」といいます。つまり、農業と林業が融合した、画期的な方法のことなのです。
地球上の森林を維持しながら、樹木間で農作物や家畜を育てることで、「生物多様性」を保つことができるのも大きなメリットなのです。
生物多様性とは、地球上のあらゆる生物が共存することをいい、地球上の生物がすべて心地よく暮らせることを願う考えです。また、森林を生かすことは、樹木が私達に与える「生態系サービス」を保つことにもなります。
生態系サービスとは、自然が我々人間にもたらす多くの資源や利益のことをいいます。生態系サービスには、食料や水の供給・気候による調整機能・「森林浴」に代表される精神的な利益・光合成によってでる酸素の確保などがあります。
この生態系サービスのほとんどを担うのが樹木なのです。つまり、自然から受けられるあらゆる恩恵は、森林があってこそのものといっても過言ではないのです。
アグロフォレストリーは、森林伐採が大きな問題になっているアフリカなどの熱帯地域で研究が行われています。
なぜなら、熱帯地域の途上国では、貧困が故に自国の森林を伐採し、開墾していかないと、国民を飢え死にさせてしまうからです。
アグロフォレストリーに近づくために
私達がアグロフォレストリーについて理解を深めたいのであれば、実際その活動に参加できることがあればそれが一番ですが、そんな機会はそうそうありません。
ですので、まずはインターネットを利用して、自身で情報を調べることが一番の近道です。また、アグロフォレストリーの製品を買うことでも、一歩近づいたことになります。
例えば明治製菓のアグロフォレストリーチョコレートや、スターバックスのフェアトレードコーヒー、またボディショップのボディケアの商品などを手にすることで、アグロフォレストリーの生産物を手にし、活動に貢献できます。
アグロフォレストリーの書籍は、まだあまり多くは出ていないようです。出ていても難しい書籍が多いようなので、もっとどういったものかわかりやすく知りたいならば、上記の商品についての説明や、アグロフォレストリーに関わっているフェアトレードから学ぶと良いでしょう。
フェアトレードは、アグロフォレストリーより日本で普及している言葉であり、またフェアトレード商品はアグロフォレストリー商品よりも数多くあります。
一番わかりやすく、楽しみながらフェアトレードについて学べるのは、ボディショップのホームページや、店頭で貰える商品の小冊子です。これらから読んで理解を深めるのも一つの良い方法といえます。
アグロフォレストリーは非常に奥が深く、そもそも農業自体が難しいものです。
農林統計協会から出している「アグロフォレストリーの発想」という書籍では、農業・林業に関心がある人を対象に、環境問題や食料問題を含めてアグロフォレストリーについて語っていますので、最初は難しくても読む価値はあるでしょう。