アグロフォレストリーとコーヒー
日本ではあまりまだ深く馴染みがありませんが、熱帯地域を主に、アグロフォレストリーによる農作物の栽培は広がっています。
アグロフォレストリーによる栽培で有名なものは、コーヒーです。他にもバナナやアボガド、パパイヤなども栽培されています。
アグロフォレストリーによってコーヒー栽培をしていることで有名なところがあります。それはエクアドル共和国にインタグ地区のインタグコーヒーです。
エクアドルのインタグコーヒーを栽培する森は、生物多様性に優れた「チョコ生命地域」と呼ばれる地域に属しています。
しかし、このインタグの森には豊富な鉱山資源があることから、大規模な鉱山の開発計画が立てられ、森林破壊の懸念点になっていました。
開発とともに、森は引き裂かれ、川は汚染されていきました。そのような状況を目の前で見ていたインタグ地区のフニン村での住民は、開発が始まってから約3年経った頃、「森を守りたい」という想いから立ち上がりました。
森林保護活動の具体策として考えられたのが、コーヒー栽培です。森林農法によるコーヒー栽培は伝統的に営まれてきたこともあり、これを生かそうとなったのです。
こういった森林保護活動としてアグロフォレストリーを始め、そこから生まれたのがインタグコーヒー生産者協会(AACRI)なのです。
AACRIによってアグロフォレストリーによるコーヒー栽培が行なわれることになりました。
取り組みの具体的な内容は、アグロフォレストリーの普及・栽培方法や肥料作成といった技術の指導・集荷・選別・出荷・輸出手続きというコーヒーが作られてから人々の手に渡るまでの一連の仕事です。