アグロフォレストリーと地球温暖化
森林破壊から守るべく、世界規模のムーブメントになっているアグロフォレストリーですが、なぜこれほどまでにも世界各国から注目され、普及されているのでしょうか?
もちろん、自然環境を守るためですが、なぜ自然環境を守らねばならないのでしょうか?その大きな理由は、地球温暖化です。アグロフォレストリーは、地球温暖化対策の一つとしても考えられているのです。
では、地球温暖化とはそもそもどういうことなのでしょうか?簡単にいえば、その名の如く、地球の気温が上昇してしまうことです。
温暖化という表現のため、暖かくなるため、地球上の氷が溶けて海面が上昇することが注目されていますが、実際は、世界の平均気温が上昇するため、異常気象の頻度が多くなり、深刻な気候変動が起こることが一番の懸念点とされています。
地球温暖化の主な原因には、温暖化ガスといわれています。温暖化ガスとはメタン・二酸化炭素・対流圏オゾンからなるものです。私達人間の産業による工場や車から排出されるものが二酸化炭素であり、これが温暖化の一番の原因といわれています。
では、二酸化炭素が増えることで、どう私達に悪影響なのでしょうか?
二酸化炭素は、その濃度が0.5%あがるだけで意識不明になるといわれており、25%以上の濃度になると数時間で生きていけなくなり、30%以上になると生息不可能になるといいます。
つまり、地球に異常気象が起こりやすくなるだけではなく、私達が生きるか死ぬかの問題に関わってくるのです。
アグロフォレストリーの地球温暖化に対する効果
二酸化炭素が地球上に多くあることは、私達人間はもちろん、地球上に生きる生物すべてにとって死活問題です。
二酸化炭素は、地球温暖化の原因である温室効果ガスの中で濃度が一番高いといわれ、地球温暖化に約60%の寄与度があるといわれています。
温室効果ガスとは、地球が受け取った太陽からの熱を地球の外に放たれるのを防ぐもので、地球上に熱をこもらせてしまう作用があるのです。
通常、二酸化炭素は陸地また海洋で生物の呼吸などにより放出され、大気中の二酸化炭素の濃度は変動します。
陸地での変動に理由には、生物の呼吸・微生物によって行なわれる土壌有機物の分解・石油などの科学燃料の燃焼による排出が挙げられます。
海洋では、大気中に放たれた二酸化炭素が海水から深海までへと移動したり、プランクトンなどの生物の生命活動によって海水中に溶けた炭素が更に、海水にとけた二酸化炭素の濃度を変動させます。
このようなことから、1990年代の大気中の二酸化炭素は約7800億トンといわれ、毎年約32億トンが追加され、大気中に蓄積されているといいます。
アグロフォレストリーが地球温暖化で注目されている一番の理由は、樹木が持つ二酸化炭素に関わる効果があるからです。
樹木は成長過程で二酸化炭素を吸収します。実は、成熟した樹木は二酸化炭素を吸収しません。植え始めてから、伸びきるまでの成長過程で二酸化炭素を吸収するのです。つまり、まだ大人になりきれていない若い樹木が重要なのです。
アグロフォレストリーは、森林を守りながら・育てながら行なう農法ですので、成熟した森林だけでなく、樹木を育てることも農法の一部に含まれます。
このような点から、樹木を成長させるアグロフォレストリーは、地球温暖化の対策活動にて注目されているのです。