バイオ系のベンチャー企業とは?

前回は、農業系のベンチャー企業についてお話しました。農業系のベンチャーは、消費者の身の回りにあるモノを豊かにしていこうという発想から生まれているので、身近なテーマのものとして学んでいただけたかと思います。
私たちの生活の中には、農業のように身近で、健康に密接した「薬」というアイテムがあります。

 

今回は、そういった薬などの「生命活動を担う」ものを開発しているバイオ系のベンチャー企業、「バイオベンチャー」について説明していこうかと思います。

 

まず、バイオベンチャーとは、その名の通りバイオテクノロジーにまつわる事業を展開していくベンチャー企業です。
バイオテクノロジーとは、人間などの生物に潜在している能力を、いかにうまく活用させるかということを考える学問を指します。
簡単に言えば、バイオテクノロジーを研究しているということは、生物の可能性を引き出すことを研究しているということです。
バイオ系のベンチャー企業は、新薬の開発や、新しい治療技術に取り組み、研究開発していきます。

 

大学発のバイオベンチャーも多く、学内で研究していたものを実用化するために、ベンチャー企業を創業する団体も増えてきているようです。

 

大学発のバイオベンチャー、というと、学生の文化活動の延長線上のようなニュアンスがありますが、決してそういった企業ばかりではありません。
「成果を実用化すれば、救われる人がたくさんいる」ような、製品化を望まれる最新技術をもった大学発ベンチャーも数多くあります。
むしろ、世のため人のために、より大きな研究費用を得ようと企業するグループもあるようです。
やはり、研究するためには費用が必要なので、彼らは多くの場合、より早い上場を目指すことになります。

 

1990年以降増加の一途をたどるバイオベンチャーですが、研究開発のために、他のベンチャー企業よりも莫大な費用を要するというジャンルであるため、成功すればハイリターンになりますが、失敗した時の負担もまた莫大なものになるといわれています。

 

また、銀行の融資では足りないとなると、必然的にベンチャーキャピタルなどの出資を利用することになる訳ですが、こういったバイオ系の企業は、研究の成果が出るまでに長い期間を要することがほとんどであるため、投資家として事業に参入するならば、長い目で見た投資になる可能性が高くなります。

 

バイオ系のベンチャー企業は、このように「負担が大きい代わりに、研究成果が社会を救う」ものであるので、ベンチャー企業のジャンルの中でも、非常に期待値の高い企業です。
国内だけでも何百、何千という数に上りますが、バイオ系のベンチャー企業は今後も医療の最先端を担うジャンルだといえます。