アネロファーマ・サイエンスというベンチャー企業について
バイオ系のベンチャー企業は、成功すれば億万長者になる可能性がありますが、中には年間で億単位の研究費がかかる企業もありますし、とにかくハイリスクなジャンルです。
前回も書いた通り、何兆という規模の市場を生み出すジャンルではありますが、なかなか資金調達が大変ですし、何千万というポケットマネーと投資家からの出資でスタートダッシュを踏み切っても、自分が望むようなリターンを得る会社はごくわずかです。
たとえば、日本には、がんの新薬を開発する「アネロファーマ・サイエンス」という創薬系のベンチャー企業があります。
このアネロファーマ・サイエンスは資本金一億円のバイオ系ベンチャー企業です。その資本金も、もともとは現在の十分の一である一千万近くの金額であり、身内からの出資を集めて作ったものであったそうです。
最初はお金をかき集めて起業したこの会社も、現在では、「株式会社産業革新機構(投資活動を行う機関)」から多額の出資(初回は七億円)を受けながら研究開発できるようになっています。
バイオ系のベンチャー企業は、とにかくお金がかかるので、こういった投資がなければ、作れるものも作れなくなってしまいます。
研究室の設備を用意するにもまず資本、治験をするにもまず資本、という、まさに資本ありきの業界なのです。
もしこの投資が功を成し、アネロファーマ・サイエンスが、がんの創薬に成功すれば、日本国民の寿命もさらに延びるかもしれませんし、がんという死因が減少し、日本に健康的な革命がおきるかもしれません。
バイオ系のベンチャー企業は確かにお金がかかります。しかしそういった投資が「世のため人のため」になる資本であるということを、今日は一つだけ覚えて帰ってください。